グルガオンのスタートアップエコシステム

グルガオン基本情報

地域: インド北部、ハリヤナ州
言語: Hindi, English, Haryanvi
人口: 推定250万人 (2019) ※2011年国勢調査では87万人
気候: 夏季は暑く、冬は肌寒い、年間を通じて乾燥している
主な産業: フィンテック、IT・ソフトウェア、自動車など


グルガオンに拠点を置く主なスタートアップ:
Oyo Rooms(ホテル)、Zomato(フードデリバリー)、 PolicyBazaar(保険)、 Cars24(中古車ビジネス)、Rivigo (ロジスティクス)

 

 

インドの”ミレニアル・シティ”として知られるグルガオンは、首都デリーから車で30分ほどに位置する新興都市であり、ハリヤナ州の産業と金融の中心地となっています。インド国内の大都市の中でも特に、多くの多国籍企業が集積し、オフィスと新興住宅地の開発が進む、商業と文化のハブとして目覚ましい発展を遂げています。

 

グルガオンのスタートアップエコシステムは年々活況を呈しており、この都市に集まる多彩な人材、起業家たちが、その才能を開花する土壌を作り続けています。グルガオンのスタートアップエコシステムには、起業家、投資家、優秀な人材が集い、ネットワーキングイベントが日々開催され、コミュニティを形成しています。

 

Read more about the successful startups in Gurugram dominating the business industry – 

https://startuptalky.com/gurgaon-startups/

 

グルガオン発のスタートアップ

グルガオンのスタートアップエコシステムは、近郊の首都デリーの陰に隠れながらも、インド国内で最も新しく、サポートシステムの整った環境へと進化を遂げてきました。

グルガオン発の企業には、インドを代表するスタートアップが多くあります。Oyo(ホテル)、Zomato(フード・日用品デリバリー)、 PolicyBazaar(保険)、 Cars24(中古車ビジネス)、Rivigo(ロジスティクス)、 ShopClues(eコマース)、MamaEarth(ヘルスケア用品)、 Plus Offices(コワーキングスペース)が、その代表例です。

また、ネクストス二コーンといわれる、急成長中のスタートアップも多く存在しています。GreyOrange(自律ロボット用ソフトウェア)、PolicyBazaar(保険)、MobiKwik(フィンテック)、OfBusiness(SME向けフィンテックサービス)などは、その一例です。

インドの3大スタートアップハブであるムンバイ、バンガロール、グルガオンを比較してみると、グルガオンのエコシステムはテックよりも、ビジネス色が強い傾向にあります。

 

 

スタートアップ投資

グルガオンでは、スタートアップへの投資も活発に行われています。2018年の、グルガオンのスタートアップへの投資金額は約300万USD、これはインドのシリコンバレーと言われるベンガル―ル(同年約430万USD)に追い付く勢いです。

 

Read more about how the Gurugram Ecosystem has progressed and evolved over the years- 

https://economictimes.indiatimes.com/small-biz/startups/gurgaon-has-evolved-from-being-an-agrarian-powerhouse-to-a-startup-city/articleshow/59134826.cms?from=mdr

 

近年、大型資金調達を行ったグルガオン発のスタートアップには、Oyo Rooms (USD $806.75 Mn)、Zomato (USD $150 Mn)、1Mg (USD $15 Mn)、MilkBasket (USD $14 Mn)、Lifelong Online (INR 40 Cr)があります。

 

 

VC、インキュベーター、アクセラレーター

グルガオンを含めた、デリー首都圏(デリーNCR, Delhi National Capital Region)には、多くのVC企業が進出しています。Lok Capital GroupYourNest Venture CapitalsSequoia Capital IndiaBlume Venturesが、デリー首都圏に進出。グルガオンに本社を構えるVCには、Canaan Venture PartnersSaif PartnersLightspeed Venture Partners、Helion VenturesOne97 Mobility Fundがあります。また、エンジェル投資家も多数存在しています。

 

多数のインキュベーターも拠点を構え、スタートアップが成長するためのプラットフォームを構築しています。政府や学術機関が運営するインキュベーターには、Centre of Excellence in Government PG College Panchkula、IoTCenter、UNTIL(United Nations Technology Innovation Labs)、Mobile Application Centreなどがあります。そして、数えきれないほどの独立系インキュベーターが活動しています。

 

数多くのアクセラレータープログラムも発展しています。India Accelerator、GHV Accelerator、The Circleは、グルガオンを拠点にする有名なプログラムの一部です。

 

Read more on how incubators in Gurugram help startups become real-world ready – 

https://economictimes.indiatimes.com/north/business-incubators-in-gurgaon-help-start-ups-become-real-world-ready/articleshow/13445122.cms

これら以外にも、多くのエコシステムプレイヤーが、グルガオンのスタートアップハブとしての成長に貢献してきました。そのひとつがHeadstart Gurgaonです。Headstart Network Foundationの支部として設立され、起業家コミュニティの構築にインパクトを与えてきました。

 

拠点を設立した初日からイベントを開催し、このエコシステムの中で大きな存在感を示してきました。Headstart Gurgaonは、この2年弱の間に様々なイニシアチブ(Startup Saturday、メンターとのワークショップ、ネットワーキングセッションなど)を通じて、数百人の起業家の人生を変えてきました。

 

(グルガオンが属する)ハリヤナ州政府は、スタートアップ支援に熱心であり、起業しやすい法整備に取り組んできました。グルガオンという都市自体がビジネスに適した環境として開発され、今日のような巨大な新興都市を形成しました。この地に集まる投資家、情報、人材、そして活況を呈するエコシステムコミュニティは、起業するのに理想的な場所となっています。

 

進化し続ける新興スタートアップエコシステム

グルガオンのエコシステムは、当初は非常に小規模でしたが、近年で劇的な進化を遂げました。以前は、アントレプレナーシップや起業に対して懐疑的な人々も多く、起業家たち、特にアーリーステージのスタートアップにとって、多くのハードルがありました。

近年急激な進化を見せ、今日では、起業家や投資家達が、各々経験や情報を互いに共有し、スタートアップエコシステムの成熟を雰囲気がつくられています。

 

この都市から生まれるスタートアップは、間違いなく世界中にインパクトを与えるものになるでしょう。進化を遂げるグルガオンのスタートアップエコシステム、起業家たちの勢いに、今後も目が話せません。